超音波(エコー)検査
人の耳では聞こえないほどの高い周波数の音を超音波といいます。
超音波検査とは、超音波を用いて体内の病変を調べる検査です。体の中に超音波を送信し、臓器や組織からはね返ってくる反射波を映像化します。超音波が伝わりやすいように、体の表面に検査用のゼリーを塗り、超音波の出る器械(プローブ)をあてて検査を行います。
腹部超音波検査
肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓を検査対象としていますが、医師からの依頼があれば、胃や腸、膀胱などの検査も行っています。
検査の対象となる病気
肝臓 |
脂肪肝、肝硬変、肝膿瘍、肝血管腫、肝嚢胞など |
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胆嚢 | 胆石、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋腫症、胆嚢腫瘍など |
膵臓 | 膵嚢胞、膵石、膵臓腫瘍など |
腎臓 | 腎結石、水腎症、腎嚢胞など |
脾臓 | 脾腫、脾腫瘍など |
その他 | 虫垂炎、イレウス、憩室炎、胃・十二指腸潰瘍など |
患者さんへのお願い
- 食事をすると臓器が見えなくなり、検査が中止になる場合があります。
- 検査の前には飲食をしないでください。
肝臓エラストグラフィ
肝臓の硬さを調べる検査法で、肝臓の線維化評価法として、肝生検の代替検査としての意味合いがあります。
造影超音波検査
超音波用造影剤(ソナゾイド)を使用し、肝臓にある腫瘤が癌かどうかを調べます。
従来の超音波検査では見えにくかった腫瘍を見つけることも可能になりました。
この検査は診断だけではなく、治療を行うときの指標となったり治療後の評価などに役立ちます。
心臓超音波検査
心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。心臓は4つの部屋と4つの弁があり、超音波検査では各部屋のバランスや壁の厚さ、奇形がないかどうかなどを調べます。また心筋の動きや弁の閉まり具合、開き具合もリアルタイムにわかります。カラードプラという方法を使うと、血液の流れを視覚的にとらえることができ、弁の逆流や狭窄もわかります。この検査は心臓の病気の診断だけでなく、手術前の心機能評価に用いられます。
当院では2021年11月より、外科手術を行わない僧帽弁閉鎖不全症の治療法であるMitra Clip(経皮的僧帽弁接合不全修復術)を開始しました。心臓超音波検査は、Mitra Clipの術前・術中・術後評価に欠かすことのできない検査となっています。
頚動脈超音波検査
頚動脈は頭に血液を送る大切な血管です。体の表面に近く観察がしやすいので、動脈硬化の診断に用いられます。頚動脈の動脈硬化を調べることは、脳の病気だけでなく、心臓の病気(狭心症、心筋梗塞など)の危険を推測するのに役立ちます。
甲状腺超音波検査
甲状腺は喉仏の下にある蝶のような形をした臓器で、新陳代謝をコントロールするホルモンを分泌しています。甲状腺超音波検査では、甲状腺の大きさや形、さらに炎症の程度や腫瘍の有無などを調べます。
- 良性疾患:嚢胞、甲状腺炎、腺腫様甲状腺腫など
- 悪性疾患:甲状腺癌、悪性リンパ腫など
乳腺超音波検査
乳腺超音波検査では、乳腺の状態や腫瘤の有無、腫瘤が良性か悪性か、リンパ節が腫れていないかなどを調べます。
- 良性疾患:乳腺症、乳管内乳頭腫、繊維腺腫、良性葉状腫瘍など
- 悪性疾患:乳癌、悪性葉状腫瘍など
下肢血管超音波検査
動脈硬化疾患は、高齢化や生活習慣病(糖尿病、脂質異常症、高血圧症、喫煙、肥満など)と関連し、増加傾向にあります。下肢動脈の閉塞(縮窄、狭窄、解離など)等を調べるのが下肢動脈超音波検査です。
また、下肢静脈超音波検査では、下肢に血栓ができる深部静脈血栓症や静脈瘤の有無等を調べます。