肺がんをはじめとする呼吸器疾患の外科手術を年間約450例実施。
負担の少ないロボット支援下内視鏡手術を積極的に施行しています。
当科は1991年に常勤専門医師による手術開始以来、名古屋市西部および愛知県西部の呼吸器外科手術の多くを担い、肺がんをはじめとする呼吸器疾患に苦しむ方々の外科診療に貢献してきました。最近5年間では総手術件数2,237例、肺がん手術数1,240例、2023年のロボット支援内視鏡下手術102例と愛知県下ではもとより東海地区においても有数の手術件数を誇り、多くの手術成功例を重ね皆さまから喜びの声をいただいています。近年では近隣他府県からも当科を受診いただき迅速な対応と安全かつきめ細かい外科総合診療により、疾病からの早期復帰を果たしていただいています。
主な疾患
- 肺がん
- 気胸
- 転移性肺腫瘍(大腸がんの肺転移など)
- 縦隔腫瘍
- 胸部外傷
- 感染症(肺アスペルギルス症、膿胸など)
- 漏斗胸
- 悪性胸膜中皮腫
- 重症筋無力症
呼吸器外科の特徴
2008年以後、当院は地域がん診療連携拠点病院となり、肺がん診療にさらに重点をおいてスタッフの充実を図りました。
肺がん手術におきましては、他施設では手術が難しいと診断された例でも専門科としてのより詳細な検討ならびに関連他科との連携のもとに外科治療が他の治療法に優ると判断されれば積極的に手術を行い、難治例からの生還の可能性を高めています。さらに外科手術だけでなく、抗がん剤治療、緩和療法にも取り組み肺がんに対する総合的な治療を目指しています。
またこれまでと同様、外傷や気胸を含めた救急および良性疾患に対しても迅速に対応しています。さらに肺結核後のカビ感染症など(アスペルギルス症)の難易度が高いとされる手術も積極的に行っています。漏斗胸に対しては、NUSS法を行っています。
胸腔鏡(内視鏡)手術に関しても適する患者さんには積極的に取り入れ、安全かつ負担の少ない手術を心掛けています。また、2018年度より最新のda Vinci Xiシステムを導入し、肺がんおよび縦隔腫瘍に対して多数のロボット支援下手術を施行しています。
診療方針
- 肺がんなどの悪性腫瘍の患者さんの治療に関しては、呼吸器外科・呼吸器内科・放射線科・病理部と毎週カンファレンス(キャンサーボード)を開催し最適な治療を迅速に提供しています。またその他疾患も含め週2回以上の当科内のカンファレンスにて詳細な検討のうえで治療方針を確認・決定し、患者さんが疾病から早期に復帰できるよう尽力しています。
- 毎週7件から10件の手術を行える体制を構築し手術の待機期間を可能な限り短縮できるようにしています。一方、気胸・膿胸など緊急性を要する疾患に対しては、他院・院内の紹介を問わず手術部の協力により準緊急枠で手術を行えるよう対応しています。
- 手術を受けられる患者さんには入院までに詳しく疾患および手術に関連した説明を行い、病状および手術・周術期の経過などについてご理解のうえで治療に臨んでいただいています。
- 入院中の患者さんに対しては診療日に毎朝のミニカンファレンスにて、現状の把握と方針の確認を行いスタッフ間で情報を共有し適切な医療をお届けできるようにしています。
受付へのご案内