取り組み

造血幹細胞移植推進拠点病院としての取り組み

造血幹細胞移植医療体制整備事業は、白血病等の造血機能障害に対する有効な治療法である造血幹細胞移植を受けようとする患者さんが、どの地域の病院においても、疾病の種類や治療ステージに応じた最適な造血幹細胞移植を受けることができ、さらに造血幹細胞移植を受けた患者さんが、どの地域に居住していても、質の保たれた生活を送り、長期のフォローアップを受けることができる医療提供体制を構築することを目的として、厚生労働省にて平成25年度から27年度にかけて全国8ブロック9拠点病院が選定されて開始されました。その後、本事業の見直しがなされ、令和2年度から全国9ブロック12拠点病院において新拠点病院事業が開始されました。
当院は、平成25年度に東海北陸ブロックの造血幹細胞移植推進拠点病院に選定、令和2年度からは東海ブロック(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県東部)の造血幹細胞推進拠点病院に選定され、地域拠点病院(名古屋大学医学部附属病院、安城更生病院、岐阜市民病院、三重大学医学部附属病院、浜松医科大学医学部附属病院、静岡県立こども病院)とともに造血細胞移植医療の発展に取り組んでいます。

東海ブロック 拠点病院・地域拠点病院

人材育成事業

非血縁者間造血幹細胞移植を施行するための施設認定を受けるには、造血細胞移植認定医、学会主導の研修会を修了した看護師、学会の認定を受けた造血細胞移植コーディネーター(HCTC)を配置する必要があり、それらの人材育成に取り組んでいます。

医師

日本造血・免疫細胞療法細胞学会 認定医の取得を目指す、1年、2年の長期研修プログラムを行っています。また3カ月、6カ月の中期研修プログラムや短期の見学プログラムを作成し、目的に合った研修が行えるようにしています。

看護師

造血幹細胞移植後患者指導管理料の算定条件である学会の研修を受けた看護師育成のため、その条件となる基礎研修Ⅰ、Ⅱの研修会を行うとともに、病院実習を行っています。

HCTC

当院には2名のHCTC(暫定専門1名、認定1名)が在籍し、研修の見学を受け入れるとともに、研修会を行っています。

多職種の研修会

現在、理学療法士、薬剤師、心理師の研修会を年に1-2回開催しています。また非移植医、地域の開業医を対象とした研修会、移植施設の若手医師や多職種を対象とした基礎的な研修会も行っています。

コーディネート支援事業

コーディネートの迅速化

日本のコーディネート期間は諸外国と比較して長く、移植前に患者さんの病状が悪化することもあるため、この期間の短縮を目指すことが拠点病院の事業の1つとなります。

コーディネートの迅速化を妨げる一番の問題は採取施設の不足になりますが、当院では週2枠の骨髄採取の手術枠を確保し、末梢血幹細胞採取とともに、経験を積んだ採取担当医師が骨髄バンクからの採取依頼は原則としてすべて受けています。さらに、日本骨髄バンクとも連携して、コーディネート期間の短縮に向けて取り組んでいます。

また、患者さんが実際に移植を受けるまでには、ドナーさんの選択、健康診断、説明、自己血貯血、手術室予約など多くのステップがあります。ドナーさんの選択については、何人ものドナーさんが候補となる中で、ドナーさんの権利を守りながら、1人のドナーさんに絞りこんでいきます。このような複雑な流れを調整し、医師を援助していくのがHCTCの仕事であり、当院では定期的に東海地区のHCTCを対象とした研修会を行っており、全ての移植病院にHCTCが配置されることを目指して活動を行っています。

地域連携事業

東海ブロックには、患者さんの自宅の近くに移植施設やフォローアップのための施設がない場合があります。当院ではこのような移植空白地域をなくすための活動を行っています。1つの移植施設を作るためには多職種の方に研修を受けていただく必要があります。また、移植後長期フォローアップのための外来を開設するためにも移植認定医や研修を修了した看護師の育成が必要となります。当院にお越しいただき、研修を受けていただいたり、逆に当院から移植施設を目指す病院に指導、支援に行ったりしています。

また、血液疾患の患者さんを診療されている施設の先生方と、移植適応や患者さんの紹介についてWEBカンファレンスを行うなど、最適なタイミングでの移植の実施を目指した取り組みも行っています。

移植実績件数

当院血液内科の同種造血幹細胞移植数の推移

造血細胞移植について

詳細な診療情報 血液内科(造血細胞移植)

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