造血細胞移植センター長あいさつ

造血幹細胞移植センター長 西田 徹也

造血幹細胞移植センター長

西田 徹也

同種造血幹細胞移植は、健康なドナーさんから造血幹細胞の提供を受けて、白血病などの造血器悪性腫瘍、再生不良性貧血などの造血不全や重い免疫不全など難治性血液疾患に対する治癒を目指した治療として行われています。造血幹細胞移植には、医師、看護師などの医療者の他、造血細胞移植コーディネーター(HCTC)や骨髄バンク・さい帯血バンクのスタッフなど多くの方々の協力と連携が必要です。

2012年9月に造血幹細胞移植に用いるための骨髄・末梢血幹細胞・臍帯血の適切な提供を推進するための法律「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が成立しました。そして翌2013年に、造血幹細胞移植を必要とする患者さんが、最適な時期に、最適な移植ソースを用いた移植を受けられるような移植医療体制を整備する事業「造血幹細胞移植医療体制整備事業」が開始され、厚生労働省がその役割を中心に進める造血幹細胞移植推進拠点病院として全国の3施設を選定、当院はその1つとして選定されました。本事業は、造血幹細胞移植を受けようとする患者さんが、どの地域においても、疾病の種類や治療ステージに応じた最適な造血幹細胞移植を受けることができ、さらに造血幹細胞移植を受けた患者さんが、どの地域に居住していても、質の保たれた生活を送り、長期のフォローアップを受けることができる医療提供体制を構築することを目的としており、当院は、東海北陸地区の人材育成事業、コーディネート支援事業、地域連携事業を行ってきました。その中で、当時、骨髄バンクの認定施設が十分ではなく患者さんからの要望があった東三河地区、福井県における移植医を養成するなど、それぞれの地域の移植施設認定に貢献してきました。また我々が長年取り組んできた多職種による移植後の患者さんのQOL向上の取り組みも、2015年度より事業の1つに組み込まれました。その後、事業内容の見直しに伴い拠点病院の再選定が行われ、2020年度から当院は東海ブロックの拠点病院として、各県の地域拠点病院(愛知県:名古屋大学医学部附属病院、安城更生病院、岐阜県:岐阜市民病院、三重県:三重大学医学部附属病院、静岡県西部:浜松医科大学医学部附属病院、静岡県立こども病院)とともに、東海地区における人材育成、コーディネート支援に取り組んでいます。また、移植後長期フォローアップ (LTFU) 外来の拡充や非移植医を含む地域の医療機関や移植施設との連携強化など地域連携には特に力を入れています。

この新しい方向性に沿って、東海地区の移植に携わられるスタッフの皆さまと協力して、この地区の患者さんが安心して移植を受けられるような体制を整備していきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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