日本の四季と保険証が変わる
院長 錦見 尚道
あけましておめでとうございます。昨年は11月になっても20度を越える日が続き、下旬になって急に冷え込みました。一昨年も11月初旬まで暑く、急に冬の寒さに移りました。11月中旬に香嵐渓の報道を見ていると、紅葉している枝をアップで写していましたが、その部分以外の木々は青々としていました。紅葉狩りをゆっくり楽しむ日本の気候は何処かに行ってしまったようです。四季の穏やかなうつろいは兎も角、皆さんが健やかに新年を迎えられていることとお慶び申し上げます。
2023年5月に新型コロナウイルス感染症の行政的取り扱いが変わってから一年半以上経ちました。最近は、喉が痛くて受診したクリニックの検査で新型コロナと言われたとか、2回罹った、いや3回も罹ったとか、すっかりなじみ深いウイルス感染症になっているようです。通常は冬に1回の流行を迎えるインフルエンザと違って、新型コロナは年間を通じて数回の流行の波があります。インフルエンザは、冬になる前に行政の補助がある予防接種が高齢者等に行われています。新型コロナも、基礎疾患のある60歳以上の人、および65歳以上の高齢者に補助がでています(名古屋市)。新型コロナウイルスに感染した事で酸素投与や人工呼吸が必要になる方の多くは、慢性呼吸器疾患、糖尿病などの重症化リスクがあり、かつ一度もワクチン接種をしていない、もしくはワクチン接種から時間の経過した方に多い印象がありますので、機会があれば接種をお勧めします。
日本の医療制度の大きな改訂として、昨年12月に健康保険証がマイナンバーカードに紐付けられた「マイナ保険証」に移行しました。猶予期間や資格証明書発行など、補助的な移行措置はとられていますが、是非ともマイナ保険証での保険登録(公的医療保険に加入している証明)をお願いします。診察に必要になる、既往歴、アレルギーなどの情報、現在飲んでいるお薬など、患者さん個人情報はマイナンバーカードには保存されていません。患者さんご自身しか知らない暗証番号とマイナ保険証を揃え、診療情報を一括管理している機関に、特定の機関から問い合わせないと個人情報は得られません。診療費の支払い、日々の買い物などに利用されているクレジットカードも、カードを紛失しても再発行して貰えますし、紛失したカードを悪用しようとしても暗証番号を知らないと買い物ができない事と同じです(暗証番号をマイナンバーカードに覚え書きしないでください)。
本年も引き続き、皆さんのかかりつけ診療所の先生と協同して、最先端の医療を提供し続けますので宜しくお願いいたします。
2025年元旦
日本赤十字社愛知医療センター センター長
名古屋第一病院 院長
院長 錦見 尚道