急性期総合病院として、患者さんに合わせた早期からのリハビリを行い、
日常生活復帰に向けて支援しています。
リハビリテーション部は、病気やけがをされた方の身体能力を可能な限り以前の状態に戻し、早期日常生活復帰を手助けする医療部門です。当院は急性期病院であるため、病気の発症や外傷の受傷直後から介入し、障害を少しでも改善すると共に日常生活に復帰することを目的としたリハビリを専門としています。
当院は、急性期総合病院という性質上、新生児から超高齢者までの幅広い年齢層の患者さん、多岐にわたる疾病を対象としています。全身状態が十分に安定していない時期からリハビリを開始することが多く、チーム医療の一員として医師・看護師などの他職種と密接な連携を図り、十分なリスク管理を行いながらリハビリを実施しています。整形外科領域では手術見学も行っており、各々の患者さんに適したオーダーメイドのリハビリを行っています。脳神経内科領域では、いわゆる脳卒中だけでなく特定疾患(難病)患者さんのリハビリも多く行っています。さらに、当院はがん拠点病院・造血幹細胞移植推進拠点病院であるため、がん患者さんのリハビリにも積極的に携わっています。
病状が安定し一定のレベルに達したら、医療社会事業部を通じてリハビリ専門病院や地域の開業医などへ紹介させていただき、日常生活復帰のために切れ目のないリハビリを続けていただけるようにしています。
リハビリテーション部の特徴
スタッフ(2025年4月現在)
医師2名(スポーツ医、手外科専門医)、理学療法⼠31名、作業療法⼠8名、⾔語聴覚⼠7名の構成です。
当院では、⼼臓リハビリテーション指導⼠、呼吸療法認定⼠、糖尿病療養指導⼠など各部⾨における療法⼠の資格取得を奨励しています。現在、⼼臓リハビリテーション指導⼠5名、呼吸療法認定⼠12名、糖尿病療養指導⼠1名、がんリハビリテーション研修受講者42名、⽇本理学療法⼠協会認定理学療法⼠5名、⽇本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー1名、日本作業療法士協会認定作業療法⼠1名、日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士2名などが在籍しており(表1)、それぞれ専⾨的なリハビリに従事しています。
また、学会発表、研修会参加、⼿術⾒学(整形外科)などを積極的に奨励し、医師とともに行う勉強会も開催して、最新の知⾒を得られるようにしています。
表1.リハビリテーション科部 資格一覧
学会/関係団体 |
資格名 |
人数 |
3学会合同呼吸療法認定士認定委員会 |
3学会合同呼吸療法認定士 |
12 |
日本心臓リハビリテーション学会 |
心臓リハビリテーション指導士 |
5 |
日本糖尿病療養指導士認定機構 |
日本糖尿病療養指導士 |
1 |
愛知がんリハビリテーション研修会 |
がんのリハビリテーション研修 ワークショップ修了者 |
42 |
日本理学療法士協会 |
認定理学療法士(領域名:脳卒中) |
1 |
認定理学療法士(領域名:運動器) |
1 |
|
認定理学療法士(領域名:スポーツ理学療法) |
1 |
|
認定理学療法士(領域名:呼吸) |
1 |
|
認定理学療法士(領域名:循環) |
1 |
|
日本スポーツ協会 |
アスレティックトレーナー(JSPO-AT) |
1 |
日本作業療法士協会 |
認定作業療法士 |
1 |
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 |
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 |
2 |
日本神経心理学会/日本高次脳機能障害学会 |
臨床神経心理士 |
1 |
日本ハンドセラピィ学会 |
Semmes Weinstein monofilament test(SW-test) |
7 |
集中治療医療安全協議会 |
Fundamental Critical Care Support Certificate of Successful Completion (FCCS) |
1 |
日本救急医学会 |
日本救急医学会認定ICLS |
1 |
日本骨粗鬆症学会 |
骨粗鬆症マネージャー |
3 |
東京商工会議所 |
福祉住環境コーディネーター(2級) |
1 |
各部門の紹介
理学療法部門
骨折、脊椎脊髄疾患、変形性関節症などの運動器疾患、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍などの中枢神経疾患をはじめ、呼吸器疾患、循環器疾患、がんの患者さんに対して、早期から積極的にリハビリを開始し、体力・筋力の低下(廃用症候群)を予防しながら、離床、移動手段の獲得を目指します。そのため理学療法部門では、運動器・脳神経・内部障害・がん・廃用の5つの疾患別チームを構成し、より専門的な理学療法を提供しています。
当院は全国で12施設しかない造血幹細胞移植拠点病院の一つであり、血液内科では白血病などの血液疾患に対して年間約80例の造血幹細胞移植術を施行しています。当科では、この移植術前後のリハビリにも積極的に関わっており、早期回復に貢献しています。
また、スポーツ医が、膝前十字靭帯損傷、半月板損傷、野球肘、肩関節腱板損傷、股関節唇損傷などのスポーツ外傷・障害の手術を年間80例ほど行っていますが、手術の前後はもちろん、保存治療の方のスポーツリハビリにも力を入れています。
作業療法部門
上肢・手指の骨折、腱損傷などの運動器疾患および脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍などの中枢神経疾患を中心に、上肢全般における機能障害および日常生活動作障害に対するリハビリを担当しています。
当院は手外科専門医2名が診療しているため、手外科領域の症例数が豊富です。手外科のリハビリ(ハンドセラピィ)は専門性が高く、医師との連携を密にして、患者さんの術前から術後、社会復帰に至るまでを支援しています。
言語聴覚療法部門
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの中枢神経疾患や脳外傷による失語症、構音障害、高次脳機能障害に対して機能改善訓練を行い、コミュニケーション能力の向上を通して生活の自立を支援しています。また、摂食・嚥下機能障害に対しても、医師および看護師などと連携し、機能改善を図っています。
当院は周産期医療が充実しており、新生児についてはNICU(新生児集中治療室)在室時から発達や哺乳について積極的に介入し、在宅へ向けた支援も行っています。
院内活動(リハビリテーション科のチーム医療への参加体制)
- 医療安全推進チーム
- 呼吸器・モニター管理チーム
- 感染制御チーム
- 排尿ケアチーム
- 透析予防診療チーム
- 褥瘡対策チーム
- 摂食・嚥下障害ケアチーム
- 栄養サポートチーム
- AYA世代対応チーム
- 認知症ケアチーム
受付へのご案内