造血幹細胞移植推進拠点病院としての取り組み
人材育成事業
医師
日本造血細胞移植学会の認める造血幹細胞移植認定医の取得を目指す、1年、2年の長期研修プログラムを行っています。また3カ月、6カ月の中期研修プログラムや短期の見学プログラムを作成し、目的に合った研修が行えるようにしています。
看護師
造血幹細胞移植後患者指導管理料の算定条件である学会の研修を受けた看護師育成のため、その条件となる基礎研修Ⅰ、Ⅱの研修会を行うとともに、病院実習を行っています。
HCTC
当院は2人のHCTCが在籍し、研修の見学を受け入れるとともに、研修会を行っています。
多職種の研修会
現在、理学療法士、薬剤師、心理師の研修会を一年に一度開催しています。また非移植医、地域の開業医を対象とした研修会、移植施設の若手医師や多職種を対象とした基礎的な研修会も行っています。
コーディネート支援事業
コーディネートの迅速化:日本のコーディネート期間は諸外国と比較して長く、移植前に患者さんの病状が悪化することもあるため、この期間の短縮を目指すことが拠点病院の事業の1つとなります。
コーディネートの迅速化を妨げる一番の問題は採取施設の不足になりますが、当院では週2枠の骨髄採取枠と5枠の末梢血幹細胞採取枠を設けていて、経験を積んだ採取医5人が率いるチームが5つあり、骨髄バンクからの採取の依頼は原則として全て受けることにしています。また患者さんが移植を受けることを決めてから移植までの間には、ドナーさんの選択、健康診断、説明、自己血貯血、手術室予約など多くのステップがあります。ドナーさんの選択については、何人ものドナーさんが候補となる中で、ドナーさんの権利を守りながら、1人のドナーさんに絞りこんでいきます。このような複雑な流れを調整し、医師を援助していくのがコーディネーター(HCTC)の仕事であり、当院では定期的に東海・北陸地区のコーディネーターを集めて研修会を行っており、全ての移植病院に移植コーディネーターが配置されることを目指して活動を行っています。
地域連携事業
東海北陸ブロックには、患者さんのお家の近くに移植施設がないといった場合があります。当院では推進拠点病院事業として、このような移植空白地帯をなくすための活動を行っています。1つの移植施設を作るためには多職種の方に研修を受けていただく必要があります。当院にお越しいただき、研修を受けていただいたり、逆に当院から移植施設を目指す病院に指導、支援に行ったりしています。またインターネット回線を使ったカンファレンスも行っています。